
長寿命塗装技術研究会の栗山です。
茨城県水戸市から外壁塗装を中心に、大切な住まいで長く暮らすための秘訣をお届けしています。
今回は工事前の見積りについてお話しします。
業者さんに見積りを依頼する際に必ず確認してほしいことがあります。
それは見積り前に現地調査をしっかりとしているかどうか、ということです。
現地調査というのは、外壁をちょっと手で触っただけ(いわゆるチョーキングという行為です)で完了するものではありません。
最近はインターネットの普及により、メールなどで見積り依頼をいただく事がありますが、現地調査はどんな場合も必ず必要です。
お客様の立場からすると、およその金額だけでも知りたい、という気持ちがあるのはよくわかります。
しかし、同じ塗装面積であっても、金額が大きく異なる場合があり、一概にいくらとは言えないのです。
それらのことも踏まえて、見積り前の現地調査の必要性や注意して欲しい点を書きたいと思います。
見積り前の現地調査事項3つ
見積り前の現地調査では主に次の3つの事項について調査が必要になります。
外壁の劣化状況
まずは外壁の劣化状況の確認です。
冒頭にもあげたチョーキングは外壁の塗り替えのタイミングのひとつではありますが、ここではそういったことではありません。
下から見上げただけではわからない、外壁の傷みがないかを確認します。外壁のクラック(ひび割れ)や膨れも、塗装のみで問題ない場合と、修理が必要な場合があります。
サイディングの外壁の場合、シーリングの劣化状況もチェックすることも必要です。
つまり外壁をどんな素材で作られているかによって対応が異なりますので、ひとつひとつの確認が必要になります。
また同様に屋根についても確認をします。
屋根も外壁と同様チェックして雨漏りや水漏れがないかを確認することが重要です。
ちなみに当社の場合、あくまでも目視と指触が基本の建物診断をします。また初回の訪問の際、はしごと脚立とデジカメとサーモカメラを持参して調査をします。
同じように見える塗装の剥げなども、使われている素材や部位によって、今後の対応は全く異なりますので、見落としがあってはいけないからです。
またサーモカメラによって雨漏りの有無も確認することができるので、必須としています。
屋根と同様にバルコニーの防水状態、浴室や台所の窓したの水分チェックは念入りに調査します。
これらの劣化による修理がある場合とない場合では、当然見積りの金額が異なります。
もし劣化したまま、何もせずに塗り替えだけをしてしまうと、建物はさらに傷み、最悪の場合、立て直しが必要になってしまします。
手で触って白い粉がついたことを確認し、図面だけをみて見積りをすることが、いかに危険か、おわかりいただけましたでしょうか?
劣化状況の確認作業は必須なのです。
塗装
次に、塗装の確認も重要です。
現在の塗膜の種類や下地の密着度等、細かいチェックが必要です。
この時点で状況を見間違えると、きちんとした塗装仕様も組めませんし、提案もできません。
塗装業者の中には、塗り替えを専門としている業者さんと、普通の塗装職人(塗装業者)さんがいます。
中には元々塗装職人だったけれども塗り替え専門になったひともいるのですが、塗り替え専門の多くは建築塗装のできない職人さんです。
建築塗装ができないということは、下地状態の判断ができません。
すると当然下地にあった塗料の選択もできないのです。
そんな業者の診断や判断、提案を信じて工事を行った場合、残念ながら失敗になることが大いに予想されます。
当社では先ほどあげた建物診断と部材(素材)と塗膜の状態の調査と測量を徹底しています。そのために必要な機材を持って、お客様の家にお伺いしているのです。
周辺の状況
これも現地調査をする上で、見落としてはいけない点です。
特に隣家との距離など家の周りの環境は重要です。
隣家との距離があまりにも近い場合、具体的には30cm以下の場合、足場が組めない可能性があります。
また足場が隣家の敷地内に入ってしまう場合もあります。
さらに建物の立地条件もあります。
駐車場の有無や工事の車両が建物前まで入ってこられるのか等、周辺の状況も確認が必要になります。
見積り前の現地調査は必須:まとめ
見積り前の現地調査は必須だということをご理解いただけましたでしょうか?
家の周りをぐるっと目視して10分程度、という調査ではいかに危険かもお分かりいただけたと思います。
ほとんどのお客様は相見積をとりますし、当社もとれを奨めています。
それは、どんなに私たちが念入りに調査をしても見落としがある場合があるからです。
一つの建物でも見る人によって違った発見や指摘ポイントがあるものだからです。
だからこそ見積り依頼をした業者さんには、報告書と診断書の提出もお願いするようにしてください。
信頼できる業者さんであれば、言わなくても用意していますし、他社で指摘している箇所の要不要についてもきちんと説明してくれます。
こんなところにも業者選択のポイントがあり、成功する外壁塗装につながっていくのです。
長寿命塗装技術研究会 栗山勇次