
外壁塗装の目的は、美観はもちろん、“一番お金のかからない建物保護の手段”でもあります。
大切な住まいを守るために、必ず知っておいてほしいことがあります。
このサイトでは、トラブルの多い外壁塗装の話を中心に、リフォーム、家のメンテナンス・お手入れの正しい情報を伝えていきます。
初めまして。私の想いを聞いてください。
長寿命塗装技術研究会を主宰している栗山勇次と申します。
私は誰に見られても恥ずかしくない仕事がしたい。ごまかしのききやすい業界にあって、どれだけ正直な仕事をするのかが私のプライドだと思って、日々仕事をしています。
外壁塗装という業界は、本当にトラブルが多いです。そして、そのいい加減な業界の一番の被害者は、お客さまです。お家を大切にしたいという人たちなんです。だから私は約5年間、地元の水戸で無料の勉強会を開催してきましたし、このWEBサイトを立ち上げて、家を大切にしたい人が、少しでも後悔しないように情報をお伝えすることにしました。これからもずっとやっていきます。
親方の教え。“恥ずかしくない仕事をしろ”
私の考え方は、振返ってみると経歴にその根本があります。
私にとって塗装職人の世界は最初から目指したわけではなく、高校を中退したから入った世界なんです。16歳のとき、高校は中途半端だったから仕事はケジメをつけて筋を通したい、との想いがありました。だからこそ遊びたい盛りの10代でも、厳しい修行に耐えてきました。
そして、もう1つの、私の考え方への大きな影響は、親方の存在です。私の親方・吾妻忠善氏は、塗装職人として紫綬褒章を授与されるほどの腕利きの職人。その師匠の下で当たり前にやっていた正直な仕事が、今、仕事の基準になっています。親方の教えが“恥ずかしくない仕事をしろ”だったんです。
その後、21歳で親方の下を離れ独立しました。独立直後は大変だったものの、その後は大手ハウスメーカーの下請けを中心に仕事も波に乗り、1995年には会社を設立。今は30代~40代の腕利きの職人とともに、会社を切り盛りしています。
外壁塗装業界の実態
外壁塗装は、トラブルの多い業界。これは突き詰めれば、職人の意識の問題です。塗装工事は職人が命です。そのことを常に痛感させられます。
独立してはじめの9年間、下請け工事として色々な経験をさせてもらいました。そこで見えてきたのは外壁塗装業界のたくさんの問題点です。
元請け(ハウスメーカーではなく営業会社)の監督や営業からは「早く早く」とせかされます。時には小雨の降る中、工事をさせられたこともありました。「なぜ、小雨の中でも工事をやらせるのか?」と不思議でした。会社はただただ、早く集金がしたかったのですね。お客さま無視の会社都合です。
ひどい悪徳業者の話もあります。保証の話をするのですが、なんとなく話をうやむやにして保証書を渡さないのです。そして実際に何か問題があると「保証書がないとできない」という話になり、契約時のことがあいまいなお客さまはそのまま泣き寝入りをする、、、なんてひどい業者が普通にいました。
「単層弾性」という塗料がありますが、よく他の塗装会社では「あまり良くない」という話を聞きます。「長持ちしないよ」と。でもそれは、その職人が、過去に適正な塗装をしていないから、長持ちしていないだけです。私たちは20年、未だに使っていますが、まったく問題ありません。塗料メーカーが指定しているように厚く塗っていないから長持ちしていないだけです。塗装専門の会社とは名ばかりです。誰にも見張られていないので、適正よりも薄く塗って終わりにしてしまっているのです。
そんな風に技術も知識も、いい加減なことが言えてしまうのが、この塗装業界の現状なんです。
先日、見積もりをしたときは、お客さまから「ハウスメーカーから屋根は塗れないと言われた」ということを伺いました。どうしてそんなことが言えるのか?状況を調べてみたり、資料を探してみると、どうやら「塗る必要がない」とメーカーは判断したようでした。屋根を塗ると費用が高くなってしまいます。するとその分、見積額が高くなるので、契約が取れなくなるかもしれません。おそらくそういった背景からのやり取りだったんだと思います。
そのお客さまは、私たち以外の塗装会社にも相見積をしていました。お客さまはその業者にも同じ相談をしたところ、全く理解してもらえず、その業者は、何も説明できなかったそうです。結局、知識も技術も、意識も低い塗装業者が、まかり通ってしまうのが、この業界なんです。
どうしてこんなことになってしまうのか?それは外壁塗装が塗った直後は、誰がどんなペンキを塗っても同じように美しく見えるからです。その結果が出るは数年後。現場を見張られているわけではないし、工事の不備も追及されにくい業界なんです。結果、泣きを見るのは、お客さまなんです。
告白します。「お金」に走ったこともありました、、、
実は独立直後、正直に告白すると、私は「お金」に走ったこともありました。
厳しい修行を積んで、相当な技術を身に付けたので、基本も応用もすべて分かった上で独立しました。当時は、勢いも自信もありました。どんどん仕事をこなすために、効率を考えて仕事をすることもありました。もちろん、きちんと価値は提供するのですが、悪い言い方をすれば、分かっている人の手抜き、です。技術があるので、品質は担保するものの、どこかラクしようという考えが頭にあったんです。
でも、あるときこう思うようになりました。「長い目で見たときに、この現場にもう一度来ることができるか?自信をもって来られるか?」・・・私はきっと来られない。そんな仕事をするのは嫌だと思うようになったんです。
それからが本当に、効率がどうこう、手間がどうこうではなく、お客さまへの貢献を第一にという姿勢になった瞬間でした。それまでも、お客さまへの貢献ということは思っていましたが、今思うと、ぜんぜん足りていなかったかもしれません。
「致し方ない」でいいのか?
その姿勢の表れとしての1つは、例えば今の私たちは、契約をするときに「保証」をつけません。そうではなくて「補修」を約束しています。
多くの塗装会社は、各社○年保証というのをつけて、それで安心を売りに契約を取ってきます。でも実際には、保証というのは、かならず発生する自然劣化の部分までを保証するわけにはいきません。するとどうしても免責事項の多い、あまり意味のない保証になってしまいます。不具合が出ても「それは免責だからできない」と、形ばかりの保証になってしまうのは、現実問題として致し方ありません。
でも、私たちは建物の美観と保護を約束して、塗装工事を請けているわけです。だから「致し方ない」からと言ってそれでいいのか?という気持ちがあります。だから私たちは保証を一切つけず、何か問題があれば補修します。ということを約束しています。ちなみにしっかり工事をするので、今まで一度も補修の必要な不具合は出たことがありませんが、、、
こんな風に、グレーなことが多いのが塗装業界、リフォーム業界なんです。トラブルが多く、そして最終的に泣きを見るのがお客さまという、本当に残念な事になっているのが現実です。
WEBサイト「お家、長持ちさせ隊」
だから私は約5年間、地元の水戸で無料の勉強会を開催してきました。お客さまの側で少しでも正しい知識を持つことで、トラブルの多くは避けることができるからです。
このWEBサイト「お家、長持ちさせ隊」も同じ思いで始めました。外壁塗装を中心に、リフォームや、住宅のメンテナンスやお手入れなど、あなたのお住まいを大切に守るために知っておいてほしいことを発信していきます。
お客さまが単に情報を知らないからというだけで、損をしてしまったり、後悔するようなことをなくしたい。いい加減な会社がまかり通るのではなく、適正な工事をする塗装会社がきちんとやっていけるような業界にしたい。そして塗装業界が、今のいい加減な業界ではなく、お客さまにきちんと価値を届ける業界であると多くの人に思ってもらいたい。そんな思いで、このサイトを立ち上げました。
ぜひ、あなたのお役に少しでも立つことを願っています。
長寿命塗装技術研究会 栗山勇次
プロフィール

栗山勇次
長寿命塗装技術研究会
マイホームリニューアルプロデューサー
株式会社ワークアート代表取締役
建築塗装鋼橋塗装一級技能士