
長寿命塗装技術研究会の栗山です。
茨城県水戸市から外壁塗装を中心に、大切な住まいで長く暮らすための秘訣をお届けしています。
今回は断熱塗料について、その特徴などをお話ししています。
JAXAが生んだ断熱塗料
最近、テレビなどで紹介されていて有名なものに、ガイナという断熱塗料があります。
もしかしたら耳にしたことがある人もいるかもしれません。
テレビなどではJAXAが生んだ断熱素材「ガイナ」として取り上げられることが多いのですが、正確にいうと少々異なります。
実際にはJAXAさんの宇宙ロケットの開発技術を使った塗料というのが正確な表現になります。
とはいえ、JAXAと企業が共同研究から生まれた正式な商品ですので『JAXA COSMODE』というロゴマークが付与されています。
ガイナの特徴
話は飛びますが、夏になると、なぜ建物が熱くなるかご存知でしょうか?
それは壁の中の断熱材が蓄熱して、夜になると放熱するためだからです。
魔法瓶と同じ原理と言えば、わかりやすいのではないでしょうか?
ところが、このガイナを塗ると塗装面が熱を反射させます。
反射させる事で熱による内部への侵入を布施区具事が可能になるのです。
つまり室内温度を下げる事ができるのです。
このような機能を断熱塗料といいます。
またガイナの機能として騒音を止めるはたらきもあります。
これは塗装面の振動を抑える事で、防音効果が出るからです。
この防音というのは実際にはイメージが沸きにくいかもしれません。
実は、以前このメーカーさんの勉強会に行って体験してきました。
それはこんな体験です。
同じ鉄のフライパンを2つ用意します。
1つにはこのガイナの塗料を塗ります。
そこで2つのフライパンを木琴のようなバチで叩いてみます。
何も塗っていない、そのままのフライパンを叩くと、ものくすごくいい「カーン」という音が響きます。
しかしガイナを塗ったフライパンは「ポン」ぐらいの音しかしないのです。
ですので、自分自身で体感してみて「防音効果はある」と言えます。
断熱塗料ガイナの欠点
ただ、正直に言うとガイナにも欠点があります。
それは汚れやすい、と言う点です。
ガイナ事態は、遮熱、断熱、防音効果や省エネ効果など、快適な住環境を生み出す、素晴らしい塗料だと真剣に感じています。
しかし、以前にもお伝えしましたが、塗装の目的は、建物の美観と保護の2つです。
ということは建物の美観、という観点からみると、汚れやすいという点は気にかかる点でもあります。
これらの観点から、本音をいうと個人的には、あまり好きではありません。
ただよくテレビなどでも使われている塗料でもありますので、ご興味もあるかなと思い、ご紹介いたしました。
汚れやすいデメリットを知っていただいた上で、使うのでしたら問題はありません。
質問)
汚れやすいということはどういうことでしょうか?
回答)
そもそも、このガイナという塗料はツヤがない塗料です。
ツヤがない塗料というのは比較的、汚れやすい塗料ともいえます。
またこのガイナにはガラスビーズが入っていて、表面にザラザラ感もありますので、汚れやすいともいえます。
そんなこともあり実際に住宅では、あまり使われていないようにみられます。
どちらかというと工場の屋根の部分などにとても適した塗料ではないかと思います。
とはいえ、今テレビで一番取り上げられているメジャーな製品がガイナであることは間違いありません。
もしご興味がある方は、更に細かな特徴などもお話しいたします。
長寿命塗装技術研究会 栗山勇次