長寿命塗装技術研究会の栗山です。
茨城県水戸市から外壁塗装を中心に、大切な住まいで長く暮らすための秘訣をお届けしています。
今回は、外壁塗装時に使うオリジナル塗料の価値についてお話しします。
オリジナル塗料に注意
塗装専門業者が『自社のオリジナル塗料を持っている』という話を聞くと、一般的にはスゴイと思うのではないでしょうか?
確かに、オリジナルブランドで塗料をもっていると言われると、立派なんだろうなと思ってしまいがちです。
しかしこの「耳障りが良い」言葉には注意しなければいけません。
それはなぜでしょうか?
オリジナル塗料の注意3つ
1、下地の劣化状況でも変更できない
通常、外壁塗装の工事をする時は、下地の劣化状況を確認します。
その際に、劣化具合により材料を変えることはよくあることです。
つまり、こういう状況の場合はこのメーカーの方がいい、別の場合であれば、あっちのメーカーという具合です。
しかしオリジナル塗料の場合、下地の劣化状況に関わらず、下塗りこれを使う、と限定されてしまいます。
合う塗料が限られているからですね。
ですから、オリジナル塗料を使うことが、必ずしもお客様にとって、外壁にとってベストな選択とはいえないのです。
2、実はOEMである
残酷なお知らせかもしれませんが、オリジナル塗料と言っているものの、実は大手メーカーのOEMであるものもあります。
OEMとは「相手先ブランド製造」と訳されます。
よくある例では、自動車があります。メーカーは違うのに、車のデザインはほとんど一緒なので、見分けがつきにくい、なんて言葉を耳にします。
塗料も同様です。
入れ物を変えている場合もありますが、どちらかというと入れ物も変えずにラベルだけ変えているケースがほとんどです。
実際に、当社でも以前、ある団体に加盟していた際にはオリジナル塗料を持っていましたが、あるメーカーの塗料のラベルを変更しただけです。
3、品質が不明
お客様にとって一番怖いのは、品質です。
大手メーカーの高品質なOEM商品であれば、まだ品質は安定しているでしょう。
しかし塗料にもグレードがあります。
グレードの低い塗料のラベルだけを変えて、高品質と明記されたらどうでしょうか?
もしかすると、通常の耐用年数が5年ほどの塗料にもかかわらず、20年持つオリジナル塗料です、と言われても一般には区別することも、見た目で判断することもできません。
だからこそオリジナル塗料には注意が必要なのです。
オリジナル塗料に誤魔化されない
本当のオリジナル塗料というのは、正直にいうと中小企業が簡単に製造できるものではありません。
大手メーカーが研究費を注ぎ込んで開発しているのですから、当然ですよね。
だからこそ営業マンや業者さんの「オリジナル塗料」という言葉に惑わされないことが大切です。
長寿命塗装技術研究会 栗山勇次