
長寿命塗装技術研究会の栗山です。
茨城県水戸市から外壁塗装を中心に、大切な住まいで長く暮らすための秘訣をお届けしています。
今回は屋根の塗装に使われている素材と、実際に現地調査をした際の体験談についてお話しします。
外壁の劣化というのは実は自然劣化だけではありません。
施工ミスによっても劣化は発生するのです。
セメント瓦について
写真のものが、セメント洋瓦です。モニエル瓦といいます。
このモニエル瓦については、製造メーカーがなくなってしまったので、
・何かの原因で割れていた、
・工事中に割れてしまった
等の事態が発生しても、残念ながら直すことができないのが現状です。
ただ付け加えるならば、今まで塗装工事で屋根に上がって、この瓦を壊した事はありません。
そのくらい丈夫な瓦だともいえます。
最初から割れていた瓦については、シーリングといってゴム状のもので補修してから塗装という方法になります。
下の写真は、住宅にはほとんど使われていないスレート板、右側の写真が昔、良く使われていた、セメント系のスレート瓦です。
ふたつの簡単な見分け方として、裏側から見た時にセメントのように見えるか、オレンジ色に見えるかで、塗る必要のあるかないかもわかります。
ご興味のある方がいらっしゃれば、さらに詳しくお教えいたします。
自然劣化?施工ミス?
次に、現地調査をした際の体験談についてお話ししたいと思います。
現地調査をすると、塗膜が剥がれていたことがあります。
私どもは塗料の寿命というのを、だいたい10年程度を目安、と考えています。
ただ、10年程度経過して塗装がダメになるというのは、一般的には、自然に劣化して、塗装にツヤがなくなってきた状態を再塗装の時期のことと、言っています。
上記の写真の場合は自然劣化ではなく、剥離という状態です。
実は私ども職人としては、劣化という表現を使うことはありません。
なぜならこの状態は施工ミスなどが原因で、剥がれたと考えるからです。
塗膜が剥がれる原因
こういった剥離が剥がれる原因の多くは
・洗浄不足
・下塗りをしないで塗ってしまった
等が考えられます。
質問)
ということは、このような写真の状態は、自然劣化ではなく、不手際が原因ということでしょうか?
回答)
その通りです。なんらかの不手際で塗装をし、その後時間が経って、このような状態が出てきたというのが正直な見立てです。
質問)
本来、なるべき姿ではないのですね
回答)
そうですね、そう考えられます。
この壁が全体的にツヤがなくなり、色が変わってきたというのであれば、自然な劣化といえます。
外壁の自然な劣化と施工ミスでは大きな違いがあり、塗った直後ではあまりわからないのですが、数年後、見た目で現れるのです。
長寿命塗装技術研究会 栗山勇次