
長寿命塗装技術研究会の栗山です。
茨城県水戸市から外壁塗装を中心に、大切な住まいで長く暮らすための秘訣をお届けしています。
今回は、知っておいてほしい塗装の知識と業界のウラ側についてお話しします。
塗膜が剥離状態になるのは、自然劣化ではありません。
そこにはきちんと理由があります。
また塗料が透けているような外壁も自然状態ではなりません。
なぜそんなことになるのでしょうか?
外壁の剥離状態は施工ミス?
まず最初に言っておきたいのは、塗料メーカーも、塗膜が剥離状態になるような商品はつくっていません。
まれに何らかの原因で剥がれるということはあるかもしれません。
当社ではそういった場合、塗料メーカーさんを現場に呼んで、徹底的な検証をしてもらうようにします。
ただ残念なことに、このような剥離した部分、べロベロとしている部分を剥がして見てみると、塗膜の裏にホコリがついていたということがほとんどです。
洗浄をきちんとしていなかったということですね。
これらは施工ミス、実際には施工ミスより手前の段階だと考えます。
厳しい事をいいますが、施工した業者のレベルというか、モラルの問題なのかなと感じます。
外壁の塗料が透けている?
下の写真をご覧ください。
現地調査に行くと、写真のような外壁の塗料が透けているという論外のようなケースもあります。
なぜ論外なのでしょうか?
それは、壁は3回塗りが基本と言われます。
3回とは、下塗りを一度して、乾いた後に色付けの1回目をし、さらに2回目をするという意味での3回です。
ただし、この3回はあくまで基本条件として、塗ったものが乾いてからです。
乾いてから、次の工程に進むというのが前提です。
写真のような場合、この3回塗りをきちんとしていなかったことが予想されます。
驚くような例をあげると、下塗りを一度塗って、お客さんが見ている前でローラーを2度動かして「2回塗りました」という業者が過去にいました。
びっくりです。
もし、そういう業者にあたってしまったら、運が悪かったとしか言いようがありません。
質問)
それは、そういう状態で通じるものなのでしょうか?
回答)
お客さんが納得してしまえば、それで通るというのが現状です。
お客さんにもある程度の知識が必要ともいえるかもしれません。
外壁塗装の考え方
こういった業者の場合、若い人が何も知らずにやって、それが当たり前だと思っていることもあります。この場合、罪の意識は全くありません。
経営者や職人のレベルでは、そういったことは「絶対やってはいけない」と誰もが思うところです。
ただ悲しい事に、それがわかっていてもやってしまう人がいます。
これは下請け系の職人に多いとか少ないとか、そういったレベルではありません。
やってはいけないことをやってしまう人の気持ちの問題です。
自分で直接、お客様から塗装工事の依頼をいただいる人でも、やってはいけないことをしてしまう人は必ずいます。
外壁塗装を依頼される際は、その辺りも気にしていただければと思います。
長寿命塗装技術研究会 栗山勇次